インテリア トレンドレポート
Vol.1 キーワードはアート、
イタリアブランド家具の競演
日本の現代アート市場が成長する中、アート性に富んだイタリア家具ブランドが日本に続々と進出しています。製品だけでなくブランドの世界観を伝える展開や、SNSに頼らない真摯なブランド発信などの動きが日本の消費者の意識をどのように引き寄せ、日本市場に新風を巻き起こすのか、今後が注目されます。
レポート:本間美紀/ライフスタイルジャーナリスト
リビングハウスが「エドラ」の販売をスタート
ひと目見たら忘れられないデザインで知られるイタリア家具がエドラ(edra) だ。穏やかなデザインが好まれる日本市場でエドラを扱うのは正直勇気がいるだろう。そんな中、手を上げたのがリビングハウス(大阪市)だ。大阪・南堀江と東京・渋谷に日本公式ストアがオープンした。
日本で最も知られているのは、百合の花が開いたような梅田正徳のアームチェア「ゲツエン」だろう。さらにアームチェア「ヴェルメイヤ」。500mものコードを手で編み上げたカンパーナ兄弟の意欲作も有名だ。コードはコットンとアクリルの二重構造で同社のオリジナルだ。
さらに透明なポリカーボネートが絡まり合うようなチェア「マルゲリータ」(写真下)はまさにアート。ポストモダン時代の残り香も感じる個性の強いデザイン家具は、一時期の日本ではバブル時代の象徴として人気だった。
ブランドマネージャーに就任した針生智子さんは「近年、時計や車などのラグジュアリーマーケットが好調ですが、日本はまだ家具・インテリアというカテゴリが少なく、参入のチャンスがあると判断しました」と現代アート市場が成長している世界的なトレンドを見越して、エドラの芸術的なプロダクトを提案する。東京で本格的なフラッグシップショップも計画中だ。
「実際の売れ筋は汎用性のあるソファ(写真上)となりそうですが、アートが盛り上がる時代、アイコニックな家具を多数揃えるのはエドラの強み」と針生さんは見る。