デザイナーに聞く、これからのオフィス考

Vol.2 新ストアのロフトがオフィス?
寺田尚樹さんを訪ねて

オフィスの家具は機能的なものばかりじゃなくていい

新ストア「MAARKETトーキョー」は、ヴィトラ、USMハラー、ノル、クラシコンなど、オフィスで使われる錚々たるブランドが並ぶ。ニューノルディックデザイン家具の代表、デンマーク「ムート」の日本初のオンリーストアも併設している。

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Photo:Yuuya Shimahara

それだけではない。寺田さんがオフィスにぜひ取り入れてほしいと言うのは、「知的好奇心を刺激する遊び心」だ。カイ・ボイスンのモンキードールや、ブルーノ・ムナーリの積み木など、ふと手に取りたくなる小物が並ぶ。

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Photo:Tomooki Kengaku

店舗の設計はインターオフィスのデザインチームが手がけている。デザインミュージアムのようなストアには、これからのオフィス空間のヒントがいくつも隠されている。

「眺めて癒されるものや、手元でいじっていると、脳の違うところを刺激するような、プラスアルファのものって面白いじゃない? そういうものをもっと楽しんでほしいよね」。もちろん新ストアでも、そんな楽しいアイテムが家具の中に並んでいる。

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でも寺田さん、本当に集中して考え事をするときは、どこにいることが一番多いのですか?

そう尋ねると、「実は自宅のそばに小さな部屋を借りています。そこは本当に僕の趣味の部屋。飛行機や船など大好きなプラモデルでぎっしり。プラモデルを無心に組み立てていると、たくさんのアイディアが浮かんでくるんですよ」と、誰にも公開していないオフィスの秘密も打ち明けてくれた。

寺田尚樹 建築家/デザイナー
1967年生まれ。テラダデザイン一級建築事務所所長。1989年明治大学工学部建築学科卒業。1994年英国AAスクール修了。帰国後は建築設計、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、サインデザインなど多岐に活動。グッドデザイン賞審査委員。近年はブランドのプロデュースやディレクションを多く手がける。インターオフィス代表取締役社長、ノルジャパン取締役上級副社長にも就任し、ヨーロッパの高級ファニチャーを日本に紹介。2024年に「MAARKETトーキョー」をオープン。ドイツのオルガテックは約10年ほど視察を続けている。

レポート:本間美紀/ライフスタイルジャーナリスト

インテリアの専門誌「室内」編集部を経て、独立。家具、インテリア、デザイン、住まい、キッチンなどの取材執筆、セミナーなどを手掛ける。ドイツ、イタリアなど海外取材も多数。著書に「リアルキッチン&インテリア」「リアルリビング&インテリア」「人生を変えるインテリアキッチン」(小学館)など。