インテリア トレンドレポート
Vol.4 “会社の人柄”を表現するーそれがオフィス空間
展示方法を思索するための、穏やかな空間
美術館の展示や展覧会を手掛けるミュージアムデザイナーの中原崇志さん。科学館や博物館での常設展示、東京都現代美術館、21_21 DESIGN SIGHTなどでの企画展、ISSEY MIYAKEとの一連の仕事など、展示空間を主眼に据えた珍しいキャリアと実績が注目されている。第3回オルガテック東京2024「出展者が選ぶベストブース賞」に選ばれたイトーキのブースも手掛けた。そんな中原さんの働き方、そしてオフィス空間についての考え方を聞いた。
レポート:山崎泰/ジャーナリスト(JDN 取締役)
集中するための3拠点が支える、現場でのタフな対応力
仕事のための場所として中原さんは3か所の拠点を持つ。本拠地は東京・中目黒にある学生時代の仲間と作った会社で、自社のスタッフもここにいる。「仕事の進捗確認などもありますし、割合としては中目黒が多いです」。
もう一つが自宅でのリモートワーク。3カ所目が私生活でのパートナーであるグラフィックデザイナー・アートディレクター田部井美奈さんの事務所の一角だ。中原さんがデザインし家具を選定した空間なので居心地が良いそうだ。
平日の日中は顧客との打合せや現場管理が多いという中原さん。「地方の仕事も多いので、ノートパソコンとタブレットがあれば何とかなる。日中の仕事環境はあんまり気にしてないですね」。仕事の性質上、施工現場での変更もしばしば。「現場で打合せし、そこで図面を書き、仕上がりを確認して、常に動き回っている感じです」
「考えごと、デザイン、スケッチなど集中するときは整った環境が欲しいですね。朝型なので、早朝で人がいないときなど、他の人の視線や音がない環境があるとよいです」