インテリア トレンドレポート

Vol.4 “会社の人柄”を表現するーそれがオフィス空間

オフィスは“会社の人柄”も表す

中原さんが普段手がけるのは展示や展覧会の空間。大量で複雑な情報を来場者に届けるための非日常空間ともいえる。本記事の取材をきっかけに、改めてオフィスについての考えを深めたという。
「オフィスの空間は会社やそこで働く人たちの性格とか方向性を示しているな、と思います。ミーティングルームが重厚だったりカジュアルだったり、それだけでもだいぶ印象が違いますよね。オフィスは働きやすさなどの機能のデザインだけが重要なのかと考えていたのですが、会社の人柄というか、会社としての意思表明のデザインという側面もあるのですね」

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オルガテック東京2024 イトーキブース
Photo:神宮巨樹(OOKI JINGU)

「先日のオルガテック東京でイトーキさんのブースをデザインするにあたって、ショールームを拝見し、複数アイテムがシステムとして構築されていたり、人間の認知や心理をふまえて製品が開発されていたり、『オフィスって面白いんだ』と思いました。働く人や働く内容が多様で、オンラインとリアルが併用され、さらに会社としての情報発信がある。それらを受け止める様々な機能が生まれ進化している」

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オルガテック東京2024 イトーキブース
Photo:神宮巨樹(OOKI JINGU)

「自分の仕事は毎回、お題が違っています。あるときは地球環境、あるときはファッション。毎回、答えも違っていて手法も手探りです。重要なのはリサーチ、どこまで辿り着けるか、それをどのように形にして発信するのかが問われます」

「これまで手がけたオフィスは、この田部井さんの事務所を含めて数は少ないのですが、考え方は同じですね。この業種の会社だからこのデザインと決めつけるのではなく、会社の人柄によって答えは違ってくるはず。一つひとつをオートクチュールとして見るべきなのでしょう」