インテリア トレンドレポート
Vol.4 “会社の人柄”を表現するーそれがオフィス空間
デザインへの共感から選択した椅子
空間のアクセントとなっているのが「脚もの」だ。選ばれていたのは藤森泰司さんがデザインした内田洋行の「Hazel」シリーズ。椅子は、座面と背面が一体のシェルで、切り込みが入り3次元に曲げられた成形合板でできている。それをスチールの脚で支えたものでスタッキングもできる。「さすがに難易度の高い脚ものを作ろうとは思いませんでした。空間との馴染み、軽やかなもの、という観点で選定しました」
今後のオフィス空間に求められる新しい要素について、中原さんはこう考えている。
「たとえばジェンダーについての認識など、社会が急速に変わりつつあります。そうしたことに対応してオフィスデザインの多様性もさらに広がり、細分化し進化していくのでしょうね。そして、エコやサステナビリティへの配慮ですね。材料、その調達、廃棄、リサイクル、リユースなどは複雑な条件ですが、それらに向かい合うのが今のデザインに求められることなのでしょう」
- 中原 崇志 建築家/ミュージアムデザイナー
- 建築アトリエ・有馬裕之+Urban Fourth を経て、建築、インテリア、ミュージアムデザインの分野で活動。科学館や博物館の常設展示や企画展示の設計を中心としながら、建築の設計、インテリア、空間インスタレーションなど多岐に渡り取り組んでいる。
- <主な実績>
- 21_21 DESIGN SIGHTやGinza Sony Parkをはじめ「イヴ・サンローラン展」「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」「10 Mame Kurogouchi」の展覧会会場構成。「北九州市科学館」「奄美世界遺産センター」「JAL SKY MUSEUM」などのミュージアムデザイン。
- <主な受賞歴>
- 日本空間デザイン賞金賞、SDA大賞・経済大臣賞、ADC賞、iF Design Awardなど
レポート:山崎泰/ジャーナリスト(JDN 取締役)
デザインへの関心から丹青社に入社。1997年、社内新規事業であるデザイン情報サイト「Japan Design Net(JDN)」立ち上げに参画。「登竜門」「デザインのお仕事」を事業化し、コンテスト企画運営を手がける。編集長を経て現職。デザインに関する取材、トークや審査会のコーディネート等も行う。